慰問演奏 [音楽]
何の花でしょうか?
ずいぶんと前の話なのですが、とある施設に慰問演奏に何度か行った事があります。
ある所に集合して、施設のマイクロバスのお迎えを待ちます。
バスに乗るときには、人数を確認、施設に着いても人数確認と、かなり厳しくチェックされました。
職員が待機する事務室で、しばしの休憩、そこで、ポケットに入っている物を全て出してから、
演奏会場に向かいます。
広ーい施設の中で、またバスにのり、ようやく学校の講堂のような舞台に到着。
途中に大きな鉄の扉がいくつかあったような記憶があります。
入所されている人々(男性ばかりです)がきれいに並んで歩いて来ます。
何列かの縦隊で、手は水平までまっすぐ振り上げ、ザッザッザッっと、
まるでどこかの国の軍隊のようです。
身なりは、半袖半ズボンの作業着、ゴムぞうり、そして頭は丸刈りでした。
年齢層は20代に見える人から、結構なお年寄りまでさまざまです。
いよいよ演奏準備です。
何人かは、重い楽器のティンパニーなどの運搬を手伝ってくれましたが、
半袖から見える腕には、きれいな模様の入っている人も何人かおられました。
もちろん、職員の方がそばにいつもいるのですが、それでもちょっと緊張です。
聴衆が席につき、ざわざわとしてきたその時、
「静かにせんか!」
職員の一喝。
<あー、びっくりした。>
演奏中の静かなこと・・・・。
みんな背筋をしゃんとして聞いてくれています。
どんな曲をしたのでしょうか、殆ど覚えていないのですが、
短いなじみのある曲が多かったような気がします。
最後に童謡ということで、「故郷」「あかとんぼ」などの演奏があったのですが
何人かの入所者の口が「うーさーぎー、追ーいし かの山・・・」と動いているのが見えました。
そして、目から光る物が流れ落ちているのが・・・。
その時の、ジーンとした感動は今もありありと覚えています。
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